益金算入(不算入)、損金算入(不算入)

税金の計算に使用する会社がもうけた金額(所得)を国に報告するための「税務会計」と会社の事業活動を分析し投資家や株主などに報告するための「企業会計」では考え方が違います。税務会計の「益金」と「損金」にあたる言葉として、企業会計では「収益」と「費用」といいますが、同じではありません。そのため、企業会計では「収益」にならないものが税務会計では「益金」となる場合に「益金参入」と言い、企業会計では「費用」にならないものが税務会計では「損金」となる場合に「損金参入」と言います。逆の場合は、それぞれ「益金不参入」「損金不参入」と言います。

エグゼキューション

M&Aを進めるために必要な仕事が予定どおりできているかをチェックし、手続きが完了するまで関係者を導くリーダー的な仕事です。具体的には、①M&Aを行う方法を選ぶ、②手続きに必要ないろいろな契約書を作成する、③対象とする会社の価格を計算する、④対象とする会社が法律違反していないか、事業はどれくらいもうかるか、借金または貯金はどれくらいあるかなどを調べます。そのため、エグゼキューションを行うにはリーダーシップ能力の他に、会計士・税理士・弁護士などの専門家たちとのコミュニケーション能力も必要です。

NDA/CA(エヌディーエー/シーエー)

Non-Disclosure Agreementの略を「NDA」、Confidential Agreementの略を「CA」と言い、秘密の情報を教えた相手に誰にも漏らさないと約束してもらう契約のことで両者は同じものです。会社と会社が一緒に新しいことを始めるときや、会社を売る交渉をするときなどは、とても重要な情報を相手に教えなければならないので必ずNDA/CAを結びます。内容は、①何が秘密情報か、②秘密情報はどうやって保管するか、③秘密情報を伝えても良い人と悪い人、③秘密情報を漏らしてしまったときの罰金、④秘密を守らなければならない期間などを定めます。

LBO(エルビーオー)

Leveraged Buyoutの略。会社を買う方法の一つです。会社を買うには多くのお金が必要となりますが、LBOは買いたい会社の財産や将来のもうけを借金の保証として、投資家や銀行から集めたお金で会社を買うのです。そのため、お金をあまり持っていない会社でもLBOによって大きな会社を買うことができます。ただし、買った会社が計画通りもうけられない可能性があるので、一般的には高い利息を要求されることになります。そのため、買いたい会社の事業計画は買う前によくチェックしなければなりません。

SPC(エスピーシー)

Special Purpose Companyの略。決まった目的のために作られた子会社のことを意味し、日本語では「特別目的会社」と呼ばれています。例えば、親会社が人気のある場所に建てられた利用価値の高いビルをSPCに売ります。次に、SPCは、もしお金が返せないときにはそのビルを売って返すからと約束して投資家などからお金を集めます。SPCは集めたお金でビルをきれいにし、誰かに貸してもうけたお金を投資家などに分けるのです。赤字の会社にお金を出す投資家はいませんが、利用価値の高いビルを持って入ればSPCに売ることで、SPCが親会社に代わってお金を集めることができます。

MBO/EBO(エムビーオー/イービーオー)

Management buy outの略が「MBO」で、取締役のように会社を運営している人が自分たちの会社を買うことです。Employee Buy outの略が「EBO」で、社員が自分たちの会社を買うことです。MBOやEBOの目的は、他の会社に自分たちの会社を乗っ取られるのを防ぐため、または社長の後を継ぐ人が見つからないときに、取締役や社員に会社の運営を引き継ぐためなどがあります。会社を買い取るにはたくさんのお金が必要になるので、取締役や社員が持っているお金だけでは足りません。そこで、一般的には銀行や投資家などからお金を集めて行います。

M&A(エムアンドエー)

Mergers and Acquisitions(合併と買収)の略。短期間に会社を大きくしたり強くしたりする経営手法の一つです。M&Aには、会社と会社を一つに合わせる「合併」、会社を丸ごと買ってしまう「企業買収」、そして特定の事業だけを取り出して買う「事業譲渡」などの種類があります。最近では、M&Aを「企業買収」という意味で使うことが中心です。M&Aをすることによって、新しい技術やノウハウ、販売力などを自分の会社に加えることができるので、自分で開発するよりも時間がずっと短くなります。そのため、M&Aは「時間」をお金で買う経営手法と考えることができます。